社長ブログ

代々住み継ぐということ

2017.02.08

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2016年の新設住宅着工戸数は前年比6.4%増の967,237戸でした。

人口が減って家が余っているというのに住宅建設は好調です。

世帯数を超えて住宅の供給が続いています。

住宅建設は経済への波及効果が大きいです。

建設に伴っていろんな産業や業種が動きますから。

しかし、これにも問題があります。

住宅があった場所にもう一度住宅を建てる「再建築率」は9.1%です。

新設住宅の9割は今まで住宅ではなかった所に建っているのが現実です。

工場の跡地や農地などは地価が安いので土地利用を転換して開発しやす

い郊外へと住宅地が広がっていき、町の中心部に空き家が増えています。

昔からある住宅街で家を建て替えるよりも分譲地の方が人気があります。

私も以前ハウスメーカーの仕事をしていた頃、分譲地で何十棟もの家が

建っていくのは何度も経験しています。

そこへ、子育て世代の人たちが移り住んできます。

同世代の若い人たちが集まるので子供が育つ間、華やかで活気があります。

ところがそれから数年経って、子供さんが巣立っていくとほとんどの子供

さんはそこには戻ってきません。

もちろん親御さんも戻ってくることは期待していません。

家もそのようには作っていません。

自分たちが元気なうちはいいのですが、さらに高齢化すると寂しい団地へ

と変わっていきます。

そんな空き家や老夫婦だけの団地があちこちにあります。

私は、田舎いわゆる旧村育ちで家は代々誰か(長男)が住み継いでいくもの

という感覚があります。

私自身は三男なので特別そういった感覚はなく、学生時代を関東で過ごし

そのままそこで就職をしたので奈良に帰ってくるつもりはなかったのですが、

突然、大阪支店に転勤になって自然とこちらに住み着くことになりました。

実家は長男が継いでいますが、自分は分家として住むことになったので自分

の長男にはここで住んで継いでほしいという気持ちはあります。

 

昔、家というのは高価なものでそう何度も建替えるという感覚はなかったと

思います。

それだけに孫の代まで住めるようにと考えて家づくりをした人が多かったこと

でしょう。

しかし、住宅産業の構造が変わってたくさんの住宅を供給する時代がやってきて

誰もが自分の家を持てるようになりました。

それはいいことなのですが、そこに永住するという感覚はその人たちにはあまり

ありません。

他府県から移住してくる人もいることですから、住み付くという気持にはなれない

のだと思います。

そういった人たちにとっては今の家は自分の代さえ暮らせればよくて、「自分の

子供もここに」という感覚はありません。

自分ももし、あのまま関東で住むことになればきっと同じことをしていたと思います。

しかし、これからは、家は長く大切に使う時代だと思います。

やむなくその家が解体、除却しなければならなくなっても同じ場所に新しい家を建てる

ほうが良い循環が生まれると思います。

手刻みとプレカット

2017.02.07

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新築の家に使う構造材です。

これから大工さんが墨付け、刻みを行います。

自社で構造材を手刻みしようとすると現場監督か大工さんが、

構造図面をもとに材料を拾い出しをして材木屋さんに発注する

必要があります。

構造図面も自社で構造計算をしていれば自社の設計士が検討を

重ねて図面を造る必要があります。

そして大工さんの刻み作業が終わればこの構造材を建築地まで

運搬しなければなりません。

これがプレカットだと平面図を基に構造図面を書いてくれます。

そして構造図面を基に材料が工場に搬入されて、2日もあれば刻み

が終わります。

材料も工場側が運搬してくれます。

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自社で刻むというのは、プレカットに比べてかなり経費がかさみます。

機械が作業するのではなく、人が作業をするので加工間違いの可能性は

高くなります。

プレカットも昔は手違いがありましたが、今はまずそんなことはないで

しょう。

デメリットばかりのようで、「どうして手刻みしているのか」と自分で

思うことがあります。

メリットと言えば、

大工さんが木の癖を見ながら加工してくれる

使う材料を事前に確認できる

プレカットに比べて仕口、継手が固いという人もいます

機械では対応できない加工ができる(丸太の加工、複雑な継手、仕口)

くらいでしょうか。

それでも手刻みしている理由は多分に自己満足的なものですが、

せっかくの技術だから使った方がいい

この技術は受け継いでいった方がいい

一から造っているという実感がある

です。

全国古民家再生協会の全国大会

2017.02.05

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一般社団法人 全国古民家再生協会の第7回全国会員大会

が東京のグランドアーク半蔵門で行われました。

私も全国古民家再生協会奈良第1支部の支部長として出席させて

もらいました。

古民家、いわゆる昭和56年の新耐震基準を満たさない既存不適格

されている住宅を改修するリフォーム団体として正式に登録される

予定です。

グループ自体は、

ハンドプレカット工場や平成の大工棟梁検定、新民家ネットワーク

住教育など多岐にわたっていろんな活動をしています。

4年前に入会させてもらって初めて参加したときのことを思うとずいぶん

会員さんが増えました。

300人くらいの参加者がいたと思います。3倍位になったでしょうか。

会員さんから「会員になることでどんなメリットがあるのですか」と

いう質問もありましたが、協会の顧問は、はっきりと「メリットはありません」

と答えています。

ただ、地道な活動を続けていくことで仕事に結びつくことはあります。

徐々にではありますが、ほかの団体ではできないグループに発展して

いきそうです。

協会の理念は「持続可能な循環型建築社会の創造」

ビジョンは「未来の子供たちのためにです。

「木」という材料

2017.01.27

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家に使われる「木」という材料について。

今は集成材といって薄く製材した木を貼りあわせた材料がよく使われますが、

そのまま使うのが本来の木の使い方です。

木は自然のものですから、伸びたり縮んだりします。

含水率が繊維飽和点と言って30%以上では伸縮は起きません。

そして30%未満になると含水率に比例して伸縮します。

この伸縮は材料としてはデメリットになりますが、それ以上のメリットがたくさん

あります。

鉄やコンクリートに比べて柔らかく衝撃を吸収してくれます。

また細胞内に空気を含むことで熱を伝えにくい構造になっています。

木材は音を吸収するという性質もあります。

適度に反射して適度に響くので劇場やホール、音楽室の仕上げ材として

使われます。

そして何より便利なのが加工がしやすという点です。

手触りや香りも木独特のものです。

樹種によって硬さや色合い、木目の表情、香りなどが変わります。

この木の香りは10年経ってもだし続けています。

意外なのが紫外線の吸収です。

木材から反射される光にはほとんど紫外線を含みません。

目に与える刺激も小さくなるので目に優しい材料と言われます。

よく比較されるのが、木とコンクリートと鉄でできた巣箱の中でのマウスの

生存率ですが、25日後の生存率は、木の巣箱で85%、金属で41%、コンク

リートで7%という実験結果です。

団地やマンションなどのコンクリート集合住宅に住む人と木造に暮らす人と

の平均死亡年齢は9年ほどの差があるというデータもあるそうです。

天井板もいろいろあります。

2017.01.26

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五條にある銘木店ですが、久しぶりに銘木を見に来ました。

写真は杉の天井板です。

しかも、無垢材です。

天然の木を薄く裂いたものですが、実際に使われていても

知っている人が見ないとわからないことがあります。

一般的な家では失礼ですが、ラミ天といってラミネートという

木目模様のフィルムを貼ったものがほとんどです。

ラミ天は杢目がきれいにはっきり見えるので、こちらの方が

きれいだと思う人がいるくらいです。

天井板も製材の仕方や木の育ち具合によって木目が変わります。

杢目、柾目、中杢といった種類があります。

天然に木を引き裂いたものですから、びっくりするような価格の材料

もありますが、ここ数年当社も銘木を扱うことがほとんどなくなりました。

本格的な和室を計画する人がいなくなったせいもあると思います。

よほど大きな家でないと和室の続き間は取れないですし、そのような

部屋を必要とする人も少なくなりました。

冠婚葬祭などで親戚中が集まって会食する場として和室の続き間は

重宝されたのですが、今はそのような使い方はしなくても貸してくれる

ところがたくさんあります。

その方が主婦の方も負担も少なく済みますから、これも時代の流れです。

銘木というのは贅沢品ではありますが、それなりの値打ちがあるものです。

見る人が見ないとわからないというのが残念なところですが、今も銘木が

好きな人はいます。

今日は、施主さんに天井板を選んでもらうために来たのですが、

「見に来てよかった」と言ってもらえました。

このような材料を使う仕事が復活するとうれしいです。

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